トランプのゲーム・スコパをご存じですか?日本ではあまり広まっていないゲームではありますが、シンプルな遊び方なので比較的覚えやすいと思います。頭脳戦になるので何度やっても楽しめるところも魅力です。この記事では、そんなスコパのルールや遊び方を徹底的に解説していきます。
スコパとは?
スコパとは、イタリア発祥のトランプのゲームです。ルールは日本でいう花札、英語圏でいうカシノに似ています。
ゲームの名前の由来となっているイタリア語の「scopa」は箒、ブラシというような意味です。名前の通りカードを一掃することが重要なゲームです。
勝つためには戦略が必要で、得点計算にも少し複雑な部分がありますが、遊び方自体はシンプルで、子供から大人まで楽しめるトランプゲームのひとつです。
スコパのルール
スコパは2人で遊ぶのが一般的ですが、3人でも可能です。4人以上の場合はチーム戦とします。
本来はイタリアのカードを使用しますが、トランプで代用する場合はジョーカーと8、9、10を抜いた40枚で行います。トランプで代用した場合の絵札JQKを数字として扱う際は以下のようになります。
トランプ | J | Q | K |
数字の扱い | 8 | 9 | 10 |
慣れれば簡単ですが、わかりにくいので、8、9、10ではなくJ、Q、Kを抜き、そのままの数字で行っても良いです。
スコパの遊び方
スコパノ遊び方を説明します。戦略も必要ですが運の要素も大きいので、まずはやってみて慣れていくと良いのではないでしょうか。
親を決めてカードを配る
親の決め方に決まりはありません。1回目はじゃんけんなどのやりやすい方法で決め、プレイごとに順に交代していくことが多いです。
親はカードをよくシャッフルし、各プレイヤーに4枚ずつ配ります。これは3枚としているルールもあるようです。配られたカードは手札とし、それぞれの目の前に表向きに並べます。
残ったカードが場札です。4枚は表向きにおき、残りは山札として裏向きでまとめておきます。
プレイの開始
親からスタートです。反時計回りに進めていきます。プレイ後に得点計算をした際に、11点を先取すると勝利なので、誰かが11点になるまでプレイが続きます。
自分の番でできること
自分の番でできることは3通りあり、1つを選んで行います。優先順位が決まっているので必ず①、①ができなければ②、①②ができなければ③のようにしましょう。
- 手札と同じ数字のカードを手札と合わせて取る
- 場札を合計すると手札と同じになるカードを手札と合わせて取る
- 手札を1枚捨てて場札にする
②は例えば手札4に対し、場札1と3がある場合、手札の4と場札の1と3の3枚を取ることになります。3枚以上のカードでも可能ですが、枚数が少ない方が優先されます。
終わったら次の人に交代です。
札を取ったあとにやること
取った札は自分の前に裏向きに置いておきます。ただし、スコパの場合は得点計算の際にわかりやすいように、スコパに使った手札を表向きにしておくようにしましょう。スコパとは、場札の表向きの札がすべて無くなることです。
また、手札の補充方法は以下のようになっています。
- 手札を全員が使い果たしたら、場の山札を配って手札にする
- 手札が1枚減るごとに各自が山札から取る
どちらでも良いようですが、一般的なのはAの方法です。
手札と山札がすべてなくなったら終了です。残った場札は最後にプレイした人が取ります。
得点計算
自分が取ったカードが以下の項目を満たすと1点もらえます。複数人該当する場合は誰にも点数が付きません。スコパは1回につき1点です。
- スコパ(場のカードをすべて取る)
- 獲得カード枚数が最も多い
- ダイヤ(イタリアカードの場合は貨幣)のカードを最も多く持っている
- ダイヤの7を持っている
- プリミエラ
プリミエラは以下の表に従って、4つのスートをすべて持っている場合、各スートから1枚ずつ合計点が最高となるように取り出し、最も高得点だったプレイヤーがもらえます。
トランプ | A | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 絵札 |
点数 | 16 | 12 | 13 | 14 | 15 | 18 | 21 | 10 |
さまざまなスコパ
スコパにはさまざまな遊び方があるようです。それらの一部を紹介していきます。
標準的なスコパからの変更例
標準的なスコパから様々な変更を加えて行うことがあります。
- Aのカードは場札をすべてとってスコパにできる
- 場札と手札の合計が15で取れる
また、得点計算にもバリエーションがあります。
- プリミエラではなく「同じ数字のカード4枚を持っているプレイヤーに1点」などに変更する
- 7のカードを4枚取ると1点
- ダイヤのKを取ると1点
地域差も大きいようなので、最初に確認しておく必要がありそうです。
長くプレイしたいときの遊び方
11点先取で勝利とするところを、16点、21点、31点などにする場合もあるようです。プレイ時間を延ばしたいときに良いかもしれません。
また、点数を上げた場合には、得点計算の際にナポレオンという項目を加えることもおすすめです。これはダイヤのAから順番に3枚以上集まっている場合に点数がもらえ、1枚増えるごとに点数が増えます。
集めたカード | A,2,3 | A,2,3,4 | A,2,3,4,5,6,7,8,9,10 |
点数 | 3 | 4 | 10 |
ダイヤのAからKまで10枚集まっている場合をナポレオンと呼びます。ナポレオンを獲得すると即勝利とするルールも存在するようです。
4人で遊ぶ場合(スコポーネ)
簡単に言うと4人で行うスコパです。2人ずつのチームとなっています。カードを配る際に、場札を4枚、手札を各自9枚ずつとして、山札が存在しなくなるところがスコパとの大きな違いです。プレイ自体はスコパのルールに準じていますが、得点計算で得た点数をチームで合計するので、パートナーとの協力が必要になります。
また、スコポーネの変化版で、科学的スコポーネと呼ばれるものもあります。こちらは手札を各自10枚ずつ、場札なしからスタートします。この方法だと運の要素がかなり減るので「科学的」という名前になったようです。
まとめ
トランプのゲーム・スコパはイタリア発祥のゲームですが、トランプで代用して遊べます。勝つためには戦略が必要ですが、ルールは簡単なので、子供でもプレイできると思います。ただ得点計算は慣れるまで少し複雑に感じるかもしれません。スピード感もあり、スコパになるととても気持ちいいです。ぜひやってみてはいかがでしょうか。