パーティゲームの大定番、UNO。手札が最後の一枚になった時に「ウノ!」とゲームのタイトルを叫ぶことでもお馴染みですが、そもそもこの「UNO」ってフレーズ、どういう意味なのかご存知ですか?今回はUNOのルーツなどについて調査しました。
UNOって何語?
「UNO」という言葉が何語なのかというと、実はスペイン語及びイタリア語なんです。それらにおける数字の「1」なんですね。残り1枚になったら「ウノ!」と叫ぶのは、ズバリ手札が残り一枚であることを高らかに宣言しているのですね。
ウノとだけ言われてもピンと来ない人もいるかもしれませんが、「ウノ、ドス、トレス」と数を数えるのを聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。これは「1、2、3」という意味になるのですが、実はUNOの後継ゲームとして、残り二枚になると「ドス!」と叫ぶ「DOS」というゲームがリリースされているんです。
UNOはどこのゲーム?
となると、UNOはスペイン、イタリアあたりで生まれたゲームなのかなと考えてしまいますがそんなことはなく、UNOは1971年にアメリカで生まれたゲームです。どうしてタイトルが「UNO」になったのかは謎ですが、よくよく考えるとアメリカで「ONE」というゲームを出しても埋もれてしまいそうですよね。残り一枚になった時に叫ぶ言葉としても、「ウノ」というのは叫びやすくて響きが良い、と考えたのかもしれません。
UNOを考えたのは理髪店を営んでいた方
UNOを考えたのは、アメリカで理髪店を営んでいたメリル・ロビンズさんです。家族や友人と楽しむための新しいカードゲームを探していたところ、他のゲームからインスピレーションを受けてUNOを生み出しました。理髪店ということは、別におもちゃ屋さんをやっていたとか、ボードゲームクリエイターだったというわけでもないのですね。そんな方が個人で考えたゲームが、大手玩具メーカーによって製造、販売されることとなり、1979年頃から広く販売されて世界中で人気になったというのは凄い話です。
クレイジーエイトからインスピレーションを受けた
メリル・ロビンズさんはトランプの「クレイジーエイト」というゲームにインスピレーションを受けてUNOを作ったとされています。クレイジーエイトは、場に出ているカードを同じスート(マーク)のカードか同じランク(数字)のカードを場に出すことで進行していくゲームで、確かにUNOと似ています。他にも、「ページワン」というゲームが似たような特性を持っている他、任天堂のゲーム「世界のアソビ大全」にも収録された「ラストカード」はかなりUNOに似たゲームシステムでしたよ。
UNOの特徴はバラエティに富んだ特殊カード
その中でもUNOがトランプゲームから独立して強い人気を得た理由は、やはりトランプにはないバラエティに富んだ特殊カードでしょう。相手の順番を飛ばすスキップや順番を入れ替えてしまうリバース、相手にカードを引かせるという強力な効果を持つドロー2やドロー4といったカードがゲームを盛り上げます。
大富豪のように、トランプにも特定の数字に特殊な効果を持たせるゲームはありますが、それをしてしまうとルールが分かりづらくなってしまいます。分かりやすく、かつダイナミックなゲーム性が、UNOが人気を博した理由なのでしょう。
UNOの歴史やエピソード
ここからはUNOが辿った歴史やUNOにまつわるエピソードについて、より深く紹介していきますよ。
ロビンス夫妻が全米を回って発売
メリル・ロビンズさんがUNOを考案してから、UNOが広く販売されるようになるまで約8年時が開いていますが、実はこの間にロビンス夫妻は自力でUNOの布教、販売に務めていたようなんです。なんでも、夫妻はUNOを自ら5000セット印刷、キャンプ場で販売するという形で全米を回ったのだとか。独自のルールを持つゲームを個人で販売し広めていくなんて、そうそう出来ることではありません。それも広いアメリカで売って回ったというのですから、凄い話ですよね。
現代では旅行の際にUNOを持っていくという人も多いでしょう。キャンプ場を狙って売り込んだのは確かに上策です。
マテルが1992年に買収
その後、夫妻はゲームの権利を売却し、UNOは世界的に広まっていくこととなりました。夫妻の地道な販売活動によってUNOというゲームの価値が高まっていき、権利を買ってくれる会社が出てきたのかもしれませんね。
日本でも1979年に今では「タカラトミー」として知られるトミーが販売しましたが、1992年に「マテル」がUNOの権利を買収、UNOは世界80か国で1億5000万個が販売されるまでの人気ゲームとなりました。私達がよく目にする現在日本で売られているUNOはマテル・インターナショナルから販売されていますよ。
著名人も愛する定番ゲーム
2007年にはオバマ元大統領が家族でUNOを楽しむ姿が目撃されています。また、歌手のジョン・レジェンドさんとモデルのクリッシー・テイゲンさんがアカデミー賞授賞式後のパーティにUNOを持参したことも知られており、更に2023年には歌手のテイラー・スウィフトさんや俳優のジェイソン・サダイキスさんなどのスターが、ヒップホップグループ「ザ・ルーツ」のドラマー、クエストラブさん主催のウノ・パーティに出席するということもありましたよ。これらのエピソードからも、UNOが世界中で愛される定番ゲームであるということが分かると思います。
派生ゲームも沢山
UNOの人気の証明とも言えるのが、その派生ゲームの多さ。前述のDOS以外にも、大人数で遊ぶことを推奨されている「UNO PARTY!」、別の人気ゲーム「ブロックス」と組み合わせた「ブロックス シャッフル」、機械からカードが飛びだす「UNOアタック」など様々なバージョンがあり、それぞれ独自のルールが採用されていますよ。
下記の動画の「ウノ ディズニープリンセス」のように、キャラクターとコラボしたUNOも沢山販売されており、コラボキャラクターはドラえもん、ハリー・ポッター、ポケモンなど多岐にわたりますよ。コラボの際には、その作品を意識した特殊カードが収録されることもあります。
最後に
今回はUNOのルーツなどについて紹介しました。理髪店の店主が個人で考えたゲームが一国の大統領も遊ぶほどのものになったと考えると凄まじい話ですよね。アイデア次第では、私達もこういった新しいゲームを生み出す事ができるのかもしれませんよ。